小さな製造業の為のマーケティング講座26:

小さな製造業の為の…

FROM:長谷

 

やたら自分の会社のイメージを気にする人がいます。

 

イメージとは他者からの見え方、というニュアンスです。

 

自分の会社(そしてそこで働いている自分自身)が、

他の人にどう見られているか?

 

それらをコントロールしようとする人がいます。

そう、ブランディングです。

 

この「小さな製造業の為のマーケティング講座」

販売・育成編のラストは、ブランディングについての私の考え方を述べます。

 

 


ブランディングとは

 

ブランディングとは、

「商品やサービス、企業の価値を認識してもらい、他社とは違う独自の存在を確立すること」

とされています。

 

「他社とは違う独自の存在を確立すること」

とあります。

 

また、ブランディングの具体的な手順を図示します。

 

 

これでブランディングが完結できると言われています。

 

6.のブランド認知度の効果測定をして完了のようです。

 

ここに決定的に抜けている要素がわかりますか?

きっと、ここまで毎回講座を受けてくれたあなたならわかるハズです。

 

 

そうです、

「それが売り上げの要因だと証明できるか?」

という要素が抜けています。

 


ブランドは副産物だと考える

 

まず、「ブランドありき」という考え方を捨てましょう。

ブランドは副産物だと考えて下さい。

 

あなたが一生懸命マーケティングをして、

顧客に刺さるニッチな領域を見つけ、製品リリースし市場に受けいられる。

 

その繰り返しで「ブランド」が構築されると思ってください。

 

「ブランドありき」で、

会社のイメージカラーがどうとか(もちろん、あれば良いですが時間をかける程では無いです)、

ロゴがどうとか(もちろん、かっこいい方が良いですが、時間とお金をかける程では無いです)、

コンセプトがどうとか、最初から決めるのは時間の無駄です。

 

ブランドのコンセプトは自分たちで決めるのでは無く、

お客さんが作ってくれるものだと思ってください。

それを言語化すれば良いのであって、最初から「こういうブランドを作ろう」は、顧客不在の考え方です。

 

 


エイチツーの例

 

我々の例で説明すると、

会社設立時に特にコンセプトも無く、

得意なポンプ・流体技術で勝負しよう、と始まりましたが、

全然売れないので、色々なポンプを市場に出していました。

 

その中で「これはニッチで、しかも競合も少ない」という場所を見つけました。

例えば耐熱に特化したポンプです。

 

それがある程度売れるので、

どんどん耐熱性に特化した製品を出し、

そしてメルマガでも「耐熱ポンプはエイチツーに相談して」と発信し続けました。

 

そうこうしているうちに、

弊社のラインナップに無いような仕様で耐熱ポンプの引き合いがどんどん来ます。

 

それに対応できるように製品も改良を続けます。

 

例えば他社では3カ月、エイチツーでも1か月かかる耐熱ポンプを

即納対応にしたりしました。

 

そうすると、お客さんも「温度高い液体だから、とりあえずエイチツーさんに頼むか」

というような、良い循環が出来てきました。

 

 

どうでしょうか?

 

 

今の実話の中に、

ブランドカラーや、ロゴや、ブランドコンセプトの話が出てきましたか?

 

市場のニーズを見つける(独自性)

それに対して製品・サービスを投入する

需要があると判断したら、さらに改良して他社追随出来ないくらいブラッシュアップする

 

その繰り返しの副産物で、ブランド(イメージ)が出来上がるのが、

本来のブランディングだと考えます。

 

「こういうブランドにしよう!」というより、

「生き延びる為に試行錯誤した結果、こういうブランドになりました!」

という過去形の方が正解だと思います。

 

 

 


既にある程度ブランド認知がある場合

 

尖った製品・サービスを持っていて、

既に市場で独自性を持っている場合、

新しい領域の製品・サービスをリリースする時、少し悩んでしまうのが、

 

「今までのイメージを壊さないか」

 

という事だと思います。

 

エイチツーも、耐熱ポンプのイメージがある中、

高粘度に特化した製品をリリースする時に、少し悩みました。

 

顧客が混乱するんじゃないか?というような不安です。

 

でも、大丈夫です。

 

あなたの会社が巨額の予算を持ち、他社と競い合ってスーパーやコンビニの商品棚スペースや一般消費者の注目を勝ち取ろうとしている巨大企業じゃない限り、とにかく「マーケティングとセールス」に注力するべきです。

 

小さな製造業が、自社ブランド構築自体に時間と費用を費やすべきじゃありません。

 

高粘度に特化した製品をリリースした後のエイチツーがどうなったかと言うと、

「特殊なポンプはエイチツーに相談すれば良いや」

というような立ち位置になりました。

 

温度だけでない領域にも対応できるようになって、

もちろん売上も上がりました。

 

ブランドなんて気にせず、

ニーズを捉えて素早く製品・サービスを投入する。

その副産物として、ブランドが認知されればラッキー、くらいで丁度良いのです。

 

もしかしたら我々は10年後、

「BtoBマーケティングはエイチツー」

になっているかもしれません。

 

 


販売・育成編の終わりに

 

今回で販売・育成編の講座が終了しました。

 

集客編から引き続き、たくさんの方に講座見てもらい、ありがとうございます。

アンケートは毎回チェックしていますが、暖かい声にいつも励まされています。

 

時には過激な事を言っていたかと思いますが、

全て実体験に基づいていますので、説得力だけはあったかと思います。

 

今までの講座の知識を活かして、

「3年後、気づいたらこんなブランドになっていた」と言ってもらえるのを楽しみにしています。

 

この講座全体を通して、

多くの会社から「WEBマーケティング手伝って欲しい」とオファーを頂いております。

 

中には一部上場の大企業もあり、聞いてくれている方が小さな製造業だけでは無かった事が想定外でした(笑)

 

私自身、講座を作るにあたって

昔読んだ海外のマーケティング本を再度読み漁る事になり、

それがキッカケで社内のマーケティングを改良したりも出来ました。

 

マーケティングには終わりが無いな、と再認識しましたし、

私自身がマーケティング好きなので、

困っている方がいれば、是非私たちの力を頼って頂ければと思います。

 

ただ、

 

私達のマーケティングチームは現在5名で事業展開していますが、

一度に受けれる「マーケティング支援」にも限界があります。

 

あと1~2社くらいだと思います。

 

もし、悩んでいる方がいれば、

漠然とした悩みや不安でも良いので、早めにご相談下さい。

 

ご相談はコチラから

 

 


 

 

PS. 次回より「製作編」です。と、その前に「採用と人材育成に使えるマーケティング」をやりたいと思います。御社の採用・人材育成に関する悩みなどお聞かせください!

 

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