
クライアントからの…
FROM,中島
先日、とあるクライアントからこんな相談を受けました。
「広告コピーを作ったんですが、
“成功率99%” と “失敗率1%” のどちらを使ったほうがいいでしょうか?」
同じ事実ですが、雰囲気や印象がまったく違うこの2通り。
意外と「どっちでも大差ないのでは?」と思う人が多いようですが・・・
実際は大きな違いが出る事がほとんどなんです。
フレーミング効果
心理学で「フレーミング効果」と呼ばれるこの現象をご存知でしょうか?
これは同じ情報でも表現の仕方(フレーム)によって受け手の判断が変わるというものです。
例えば、
医療の現場で「生存率90%」と提示された場合と「死亡率10%」と提示された場合では、
前者のほうが多くの人が手術を選択したり、
割引表示では「月々200円お得」よりも「年間2,400円お得」と表現した方が
後者の方が選ばれやすいなどの事例が存在します。

この効果は、特に利益よりも損失を強く避けようとする「損失回避」の傾向と関連が深く
マーケティングの分野では、これらを目的によって使い分けます。
ここで着目すべきは、ネガティブなフレームがまったく無力というわけではないことです。
危機感を煽りたい時、リスク回避を重視させたい時には
あえて「不満」や「損失」を前面に出したりもします。
事実をどう切り取るか次第で、人の心の動きはガラッと変わるのです。
我々は自社が製造業なので、こういったリスク管理に敏感な業態ということもあり、
このネガティブなフレームをあえて使用する事もよくあります。
労災と隣り合わせですから、管理職や決裁者に刺したい時は特に
「ネガティブなフレームで危機感を煽る」
というのは常套手段であり、確かに結果も出やすいライティングテクニックです。
長くなりましたが、冒頭の「“成功率99%” と “失敗率1%” のどちらを使ったほうがいいでしょうか?」
という質問に対しては、成功率で押したいか、失敗率で押したいか、
どちらかがわからないので、まずは、これが何のPRなのかを尋ねてから
コピーのブラッシュアップになりました。
現場にどう活かすか
フレーミング効果は広告コピーだけじゃなく、製品資料や展示会トーク、
営業現場の一言にも流用できます。
前述したように、製造業は特に「事実」を伝え、それを説得材料に用いる場面が多いですが、
その見せ方次第で相手の心の動きは大きく変わります。
「消費電力を10%削減」よりも「年間100万円のコストダウン」と言った方が、
決裁者にはグッと刺さります。
何度も似たフレームを並べましたが、何が言いたいかというと、
「数字を変えるのではなく、フレームを変える。」という事です。
私たちは、自らが製造業であるが故に、製造業の魅力を
「正しく」ではなく「伝わる形」で表現するお手伝いをしています。
展示会・営業資料・広告など、御社の強みをもっと伝わる言葉に変えていきませんか?
製造業の集客や顧客育成、アプローチにお悩みの際は是非、
我々「小さな製造業の為のマーケティング支援WEBCO」までご相談下さい。