
恐怖のマーケター、…
FROM:中島
「お前とはもっと違う形で巡り合いたかったよ。」
正義のヒーローをも脅かす程の驚異的な才に恵まれながらも
偏った思想や価値観により道を踏み外し、
悪に手を染めてしまった者に放たれるそんなセリフがぴったりな男がいました。
・・・今から約100年前。
大恐慌真っただ中のアメリカで、一人のマーケティングの天才が現れました。
彼の名はブリンクリー。
私の知っている中で、最悪の天才マーケターです。
彼は天才マーケター
これはよく言う話ですが、マーケティングは使い手によって
正しく使えば人々を幸せにすることもできるし、
悪用すると不幸にすることもできます。
まさに彼はマーケティングは天才的でしたがそれを悪用した人物です。
もともとケチな詐欺を生業としていた詐欺師のブリンクリー。
彼はある時、インポテンツに悩む男性に対して
「衰えた精力を回復する画期的な方法がある」
として、大々的に宣伝を始めます。
その方法は裏金で入手した医師免許(もちろんヤブ医者)でヤギの睾丸を移植する
という、とんでもないものでした。

ブリンクリーの巧妙な罠
ヤギは精力が非常に強い生き物として認知されていたことを効果を謳う際に利用し、
手術の正当性を(凄いちゃんとした感じの)チラシやカタログにして書き上げました。
ちなみに内容はデタラメもいいところな内容でしたが、
結果としてそういったコンテンツは人々の目に留まり、信頼を得ていきました。
彼は大衆が【信頼する為に必要な物】がわかっていたのです。
内容は15分の手術で130万円と非常に高価だったにもかかわらず
月に50件もの依頼があったと言われています。
さらにラジオが主流になると予測した彼は
自身のラジオ局を持ち、自問自答の回答を行う事で更に大衆へ向けた周知と
信頼を得ていきました。
時には知事選にまで立候補し、
2度の出馬で内1回は当選目前まで行くほど、彼を信じ支持する声があった程です。
「もっと違う形で巡り合いたかったよ。」
カオスな世界情勢や偶然も彼の追い風となりましたが、
彼が行ったマーケ戦略は確かなものでした。
売るものや、売り方が違えば、
彼はもっと素晴らしい業績を残した人物として語り継がれた事でしょう。
最初に行った周知させる方法(コンテンツの製作)や、
信頼を勝ち取る手段の数々、そしてニーズを理解していた事。
彼のマーケターとしてのセンスは確かなものであったからこそ、
そのどれをとってもこれが悪事でなければ・・・と、悔やむばかりです。
「ブリンクリー、あなたの話はもっと違う形で聞き及びたかったよ。」
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