
コメダの低回転戦略
FROM,中島
私の住んでいる名古屋市では東海圏という事もあって
喫茶店のモーニングが有名です。
コーヒーを一杯頼むと、ゆで卵とサラダ、トーストが無料で付いてくる
とっても太っ腹なサービスですが、
例によってモーニングを楽しみに、有名チェーンのコメダ珈琲店に行った時の事です。
待ち時間に店内を見渡すと、家族客や友人同士で来ているお客さんたちがゆっくりくつろいで
話に花を咲かせています。
コーヒーを飲み終わったら彼らは出ていくのだろうか?
勝手に回転を気にする僕と対照的に席を立とうとしない他の顧客。
安価なコーヒーでは回転率が勝負!となりそうなものですが、
海外進出も果たしているコメダ珈琲店はその逆、
【低回転】でも“お店が回る”仕組みが実に興味深かったので共有しますね。
長居=???
世の中には数多くのコーヒーショップがあり、
その中でも有名なスターバックスやドトールコーヒーなどのように
回転率を上げるための戦略を練る事が王道とされています。
そんな中で、コメダ珈琲はその真逆、
長居させる方に全振りしています。
例えばあの特徴的なソファーは座り心地を追求し、ついついリラックスしてしまいますね。
他にも、郊外に広く店を構え、いつでも入れる、もしくは少し待てば入れる店舗。
注文から配膳まで席に座ったらあとは店員さんがやってくれる。
冒頭にも触れたモーニングサービスや、オリジナリティあふれるフードメニューの充実。
・・・こんなにされたら、そりゃ居心地がいいですよね。
コメダ珈琲は長らく回転率が命とされてきたコーヒーショップ業界で
この居心地の良さを前面に売り出し、成功を収めました。
客が(居心地よく)長居することで、客単価が跳ね上がる仕組みを作り込んであるんです。
コメダの低回転戦略
長居しやすくする工夫が生み出した産物は以下です。
・テーブル席の導入で、家族連れやグループでの来店が増える
・常連が定着しやすく一定の分厚いファン層が生まれる
・広いテーブルは、打ち合わせや商談、勉強など多くの客層にフィットする
するとどうでしょう、
朝はモーニングで埋まっていて、、、
昼にはおしゃべりや打ち合わせ商談、
夜には家族やグループでご飯を食べに来店し、
回転率自体は高くなくても、閑散期がないんです。
つまりずーっとお客さんがいる状態を実現したんです。
自分だけの空間のような居心地のよさ、いわゆる
サードプレイス(第三の居場所)の提供を徹底したコメダ珈琲は
独自のビジネスモデルで確固たる地位を築きあげたコーヒーショップとして
今日も行列が続いているんですね。
常識のみが正解とは限らない
回転率が命と思われてた業界に独自の戦略で勝ち上がったコメダ珈琲でしたが、
往々にしてこういった常識や社会通念といったものが成長を阻むことがあります。
例えば私たちは、BtoB向けのニッチなポンプメーカーなのですが、
一般的な営業活動(こんなにいいポンプです!買ってください!)は基本的に行いません。
―製造業にマーケティングなんかいらない―
そんな考えがまだまだ根強く残る業界で、10年以上前からマーケティングを主軸とした
集客戦略を実行し、今も成果を出し続けています。
最初はポンプメーカーがメルマガなんて、と言われていたメルマガ配信も
製品紹介をほとんど行わないのに、引き合いがバンバン来る仕組みが出来上がりました。
少なくとも小さな製造業のマーケティングの第一線では活動している私たちは
いつもで製造業のマーケティング手法をお伝えする準備が出来ています。
お困りの際は是非、お気軽にご相談下さい。
